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北園7

 北園克衛さんという詩人がいました。
 詩作だけではなく、グラフィックデザイン、
 イラストレーションも写真も素敵な作品を残しました。
 どんなふうな作品かというと、
 共通するのは
 カタチから「意味」が剥奪され、
 表現されたものに意味が与えられず、
 「形象が新しい意味を生み出す」ための装置、である作品。
 そんな世界だと思います。

 作品を見る私たちは、
 文字自体、カタチそれ自体、写真や絵画それ自体に
 何かを「感じる」ように観てしまうのです。
 意味を読み取るのではなく
 感じたことのなかに新しい意味を発見する。

 子どもが砂遊びをして無意味な線を引いて楽しむ、
 なにもない野原にそっとクレヨンを塗った石を置いてみる、
 古壁に水鉄砲でしみを描いてみる、
 そんなささやかな戯れ、
 そこに静謐な世界が
 いつのまにか新しい意味を獲得して
 ま白い紙のなかで遊んでいる。
 それが北薗克衛さんの詩の宇宙。

 ダダの精神やイナガキタルホの一千一秒物語にも
 通底する部分があるかと思います。

 エディトリアルデザインに関わった者として
 杉浦康平さん、羽良多平吉さん、そして北薗克衛さんは
 日本のグラフィック界のあこがれの人たち。
 杉浦さんは別格にして、
 羽良多さんは初期、素晴らしい絵を描いていたし
 北薗さんはとっても個性的な写真を発表していました。

 北薗さんの絵もデザインも写真も、もちろん詩も、
 全てが詩、ポエジーなのですね。
 空気や空間が漂白されたかのような、
 無のなかの無邪気。
 北園さんの作品を、いろいろ愉しんでください。


 「黒の装置」

  黄いろい三角
  は
  黒い
  真昼であつた

  青い四角
  は
  黒い
  孤独であつた

  赤い円筒
  は
  黒い
  距離であつた

  黒い四角
  は
  黄いろい
  朝食であつた

  黒い円筒
  は
  赤い
  散歩であつた

  黒い三角
  は
  青い
  太陽であつた
  
  黒いそれら
  の
  黒い
  それら


 「単調な空間」

  白い四角
  のなか
  の白い四角
  のなか
  の黒い四角
  のなか
  の黒い四角
  のなか
  の黄色い四角
  のなかの
  黄色い四角
  のなか
  の白い四角
  のなか
  の白い四角
  白
  の中の白
  の中の黒
  の中の黒
  の中の黄
  の中の黄
  の中の白
  の中の白

  青
  の三角
  の髭
  のガラス

  白
  の三角
  の馬
  のパラソル

  黒 
  の三角
  の煙
  のビルディング

  黄  
  の三角
  の星
  のハンカチイフ

  白い四角
  のなか
  の白い四角
  のなか
  の白い四角
  のなか
  の白い四角
  のなか
  の白い四角

北園3
北園4
北園5
北園6
北園8
北園1


Cluster & Eno - Anna Pavlova
2013.08.22 Thu l 本のお話 l コメント (0) トラックバック (0) l top


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